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橋口玲子先生は内科・小児科医、医学博士。中国医学を中心に、西洋医学・ハーブ療法・アロマセラピーなどを取り入れた医療を実践されてます。
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by 緑蔭診療所 |
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野菜薬膳 |
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春の香りのする野菜の一つ、うど。「独活」と書いて薬用植物の一つでもあります。漢方では体には経絡と呼ぶエネルギーのルートが走っており、このルートが余計な水分で詰まると痛みやしびれを起こすと考えますが、うどにはこの詰まりや余計な水分を取って神経痛、関節痛、筋肉痛などを改善する効果があるのです。うどの独特の芳香は複雑な精油成分から成っており、血行改善や鎮痛作用のあるα-ピネン、ミルセンなどが含まれています。春になって湿度が上がってきたがまだ肌寒い、という気候の時は関節痛や神経痛が悪化しやすいと言われます。そんな場合にぴったりの野菜がうどというわけです。
実は現在、夫の橋口亮(婦人科医、漢方医)と共同で薬膳の本を作っている真最中です。野菜を中心に、身近な食材の漢方での効能や性質をわかりやすく紹介し、簡単なレシピで自分や家族の体調管理に役立てていただきたいというのが本の狙いです。10年以上前に「おいしい漢方ごはん」という本をやはり共著で作ったことがありますが、この本よりさらに身近で豊富な食材とレシピを取り上げる予定です。
普段から野菜はたくさん食べるほうですが、この数カ月はレシピの確認などのために種類も量も、実にたくさんの野菜や乾物を食べています。おいしいし体調もいいので苦痛ではありませんが、自分で作ったりお店で食べたりするごとに「この素材の効能は」とか、「これとこれの組み合わせだとこういう薬効があると書けるかな」などといちいち頭に浮かぶので、苦笑してしまうときもあります。
「おいしい漢方ごはん」を出したころに比べると薬膳の一般書が増えているので、薬膳に興味を持っている方が増えているのでしょう。うれしいことです。何を食べるかはセルフケアの基本中の基本です。自分の体は自分の食べたものからしかできないのですから。蛋白質やビタミンといった栄養素の知識に加えて、食材の持つ効能を活かした食生活を続ければ、体質的な弱点を改善したり、加齢による不調を予防したりすることにつながります。初夏には書店に並ぶ予定です。手に取っていただけるよう、頑張って仕上げたいと思います。
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