りなはなぜか、大好きなものはひとつだけ、と思い込んでいる。
“お父さん大好き、お母さんは大好きじゃない”と言ったりする。
“大好きなものは、ひとつだけじゃなくていいんだよ。”と教えても、今ひとつわかっていないようだ。
今日、日本語学校へ車で送るときも、
“お父さんと一緒に行きたかった。りな、お父さん大好きだから。”
とりな。
“いいじゃん、お母さんでも。”
とわたし。
“やだ。だって、お母さん、大好きじゃないもん。”
“あー、こいつは大好きはひとつだけって思っているからしょうがない。”とはわかっていても、やはりおもしろくないので、
“じゃあ、お母さんもりなのこと大好きじゃない。”と言った。すると、
“やーだ。”と言う。
“そういう風に言われると嫌でしょ?お母さんだってりなにそういう風に言われたら嫌なんだよ。もうそんなこと言わないよ。”
こんなやり取りが朝あったのに、夕方お迎えに行くとまた同じようなことを言った。
“お父さんのお迎えがよかった。りな、お父さんと遊びたいの。お父さん大好きだから。お母さんは大好きじゃない。”
“あーそう。お母さんもりなのこと好きじゃないよ!そんなこと言ってたら、お母さんいなくなっちゃうよ、嫌でしょ?”
そんなやりとりの後、りなは車の中で眠ってしまった。
りなが眠っている間に、私は子供たちをだんなにみてもらって、久しぶりにヨガに行ってきた。
帰ると、りなが泣きながら、“おかあさ~ん”と玄関までやってきて、擦り寄った。
どうやら、起きたら私がいなかったので、びっくりしていて、でも泣くのを我慢していたようだ。
やっぱり寝る前に言ったことを多少なりとも気にしているんだな、かわいいやつめ。と思った。
でもきっとまた同じようなことを言われるのよね~。
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