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鈴の木こどもクリニックは東京都品川区戸越にあります。東京都では数少ない小児専門クリニックとして、「きれいでやさしい、そして楽しい母と子どものクリニック」を合言葉に、さまざまな小児診療-小児保健活動を展開しています。
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by 鈴木博
 
 
 
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RSウィルス感染症後編
  | 病気・ケガ | 2010-12-06 09:40 |

RSウィルスについて(後篇)

 RSウィルス迅速診断がもしも陽性だったら、6ヶ月前の赤ちゃんは呼吸困難で入院する可能性があると覚悟しておいたほうがよいでしょう。特に夜間の呼吸の状態を厳重に観察し(夜間急変することが多いため)、ぜいぜいひどくなる、苦しくて眠れない、ウーウーいう、呼吸が止まるような気がする場合は、救急病院へ大至急受診して下さい。

 しかしこのウィルスはありふれたウィルスで、特に珍しいものではありません。保育園でも毎年流行しています。保育園等に通園している赤ちゃんのお母さまは、園の流行情報には注意したほうが良いでしょう。

 ただしRSウィルスに関心を持ち、迅速検査を行っている小児科は少数です。また、新聞やテレビもインフルエンザについては過剰なほど大きく取り上げますが、RSウィルス感染症についてはほとんど報道されません。そのため、患者がいても診断されないケースも多く、流行がわからない保育園もあるかもしれません

 治療は、抗生剤は全く効果はありません。喘息に似たぜいぜいする症状には、気管支を広げる薬の服用や食塩水の吸入などを行います。細気管支炎、肺炎に進展してしまったら、入院して輸液、酸素投与、気道分泌物の除去などの治療が必要になります。

 予防は、早産児や肺に病気のある未熟児、先天性心臓病の赤ちゃんには、抗RSウィルス抗体であるパリビズマブ(シナジス)という予防接種に似た筋肉注射が2002年から行われていますが、高価な薬のため、一般のお子さまには使用できません。

 RSウィルス感染症は今のところ手の打ちようがない病気で、毎年多数の赤ちゃんが呼吸障害で小児科病棟に入院しています。

 RSウイルス感染症という病気を知ること、ぜいぜいしたら小児科に受診し、先生とよく相談しながら、病気の経過をみること、特に夜間の呼吸困難に注意すること、RSウィルス感染症の流行期はあまり人ごみ(特に子どもが多く集まるところ)に出かけない、というぐらいしか、今のところ取りうる対策はないのが現状です。

 (この項終わり)



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