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鈴の木こどもクリニックは東京都品川区戸越にあります。東京都では数少ない小児専門クリニックとして、「きれいでやさしい、そして楽しい母と子どものクリニック」を合言葉に、さまざまな小児診療-小児保健活動を展開しています。
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by 鈴木博
 
 
 
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ヒブワクチンについて
  | 病気・ケガ | 2008-12-08 09:01 |

 今年の12月19日に、ヒブワクチンが発売されることになりました。すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、「ヒブ?何それ?」という反応のお母さまもいらっしゃるかもしれません。

 そこで今回は、新しく接種することができるようになる、ヒブワクチンについて少しお話したいと思います。

①まず、ヒブとは?

 ヒブとは、インフルエンザ菌b型の略称です。
インフルエンザ菌は最初インフルエンザ患者の喀痰から見つかったため、この名が付けられました。しかし、現在ではインフルエンザとは無関係の細菌であることがわかっています。(いうまでもなく、インフルエンザはインフルエンザウイルスの起こす病気です。)

 このインフルエンザ菌は莢膜(細菌の周りを覆う膜)の有無で、まず二つに大別されます。莢膜を有するグループ(有莢膜株)は、莢膜に存在する物質の性質で、さらにa~fの6型に分類されます。

 この中のb型を、インフルエンザ菌b型、略してHib=ヒブと呼びます。ヒブはインフルエンザ菌のなかで、最も病原性が強いグループとして怖れられているのです。

②ヒブの感染経路

 ヒブは、しばしばヒブを持っている人(保菌者)の咳、くしゃみとともに、鼻やのどから感染します。そしてヒブは鼻、のどで繁殖します。普通は無症状ですが、時として血液中に侵入し、血液を介してからだ全体に広がり、髄膜炎、肺炎、喉頭炎などを起こすことがあります(全身感染症)。
この中で、最もおそろしいのが髄膜炎です。

③ヒブ髄膜炎

 ヒブは起こす髄膜炎の特徴は、
 第一に、ヒブは新生児以降の子どもがかかる髄膜炎の原因菌の第1位です。ヒブ髄膜炎の発病者は、大体全国で年間500~600人と推定されています。(これは、2ヶ月~5歳児の1/2000がかかっているという計算になります。)

 第二に、患者の年齢は0歳台の乳児が53%と最も多く、0~1歳で70%以上を占めています。発病のピークは生後9ヶ月で、逆に5歳以上は発病はまれになります。(この年齢になるとインフルエンザ菌に対する抵抗力が作られるためのようです。)

 第三にヒブの髄膜炎は重い病気で、 死亡は約5%(20人に1人は死亡します)。治っても20~30%にてんかん、難聴、発育障害などの後遺症を残します。

 第四に、病気の初期は発熱、嘔吐、元気が無いなど、かぜ症状と変わりがありません。しかも急速に病状は進行します。
近年抗生剤への耐性が急激に進み、また病状の進行が早いため、抗生剤での治療が困難になってきている病気です。

この項続く。



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