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橋口玲子先生は内科・小児科医、医学博士。中国医学を中心に、西洋医学・ハーブ療法・アロマセラピーなどを取り入れた医療を実践されてます。
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by 緑蔭診療所 |
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サプリメントとの付き合い方 |
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私は講演の中でセルフケアについてよく触れます。どんな不調の改善、予防にも、食べることや眠ることは重要だからです。薬膳の考え方を含めて食物の話もよくします。しかし、サプリメントについてはほとんど触れたことがありません。なぜかというと、安全性や有効性のはっきりしないサプリメントが非常に多いからです。
例えば、大豆に含まれるフラボノイドであるイソフラボンには抗酸化、コレステロール低下、前立腺がんや乳がんの予防、更年期障害の改善などの効果があることが知られています。では、イソフラボンはとればとるほどよいかというとそうではありません。イタリアでイソフラボンの過剰摂取によると考えられる子宮内膜増殖症(子宮体がんにつながる可能性のある病変)が報告されています。サプリメントとしてではなく豆腐、豆乳、納豆など食品としてとればとり過ぎになるほど食べることは難しいので安全です。ちなみに、1日に木綿豆腐100gくらいで十分なイソフラボンが摂取できます。納豆でとれば骨粗しょう症の予防にプラスのビタミンKも一緒にとれます。
では食品に近いサプリメントなら安心かというとそうとも言えません。ウコンやノニのサプリメントによる肝機能障害や、服用中の薬が効きすぎたり効きが悪くなったりした例が報告されています。ウコンやノニは現地の人々が香辛料や薬として古くから摂取していた植物ですが、サプリメントとして大量に続けてとっていたわけではありません。ウコンは漢方生薬の一つでもありますが、ウコンだけを単独で大量に用いることはありません。
大げさかもしれませんが、サプリメントの形で何かをとり続けるということは、今まで人類が試していない人体実験に参加することだといってもいいでしょう。もちろん、安全で役立つサプリメントもありますが、宣伝に踊らされて安易にサプリメントに手を出すのはお勧めできません。サプリメントをとったほうがいいかなと思ったら、まず食事の見直しから始めましょう。食品であれ、同じものを大量に食べ続ければ害がある場合だってあります。野菜や果物多め、ほどほどの炭水化物と蛋白質、油脂と塩は控えめで、多種類の食品を少量ずつとるのが安全、安心、健康の基本です。
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