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橋口玲子先生は内科・小児科医、医学博士。中国医学を中心に、西洋医学・ハーブ療法・アロマセラピーなどを取り入れた医療を実践されてます。
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by 緑蔭診療所 |
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医者の楽しみ |
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緑蔭診療所の外壁が塗り替えられて前より明るい色になりました。ここで診療を開始したのが1994年10月ですので、20年近く経つということになります。庭の木々が大きくなるはずです。
当然のことながら、子どもの頃から診ている患者さんは社会人や大学生になるわけですが、成長した姿を見るとやはり感慨深いものがあります。新年度に移る前の春休みの時期にはそういう年齢の患者さんに会う機会も多く、大変忙しい外来が続きました。思春期や青年期に調子を崩したけれど、数年のうちに身体面だけでなく精神的にもタフになっていく変化の様子を共有できるのは、子どもを診ている医者冥利に尽きると思います。
もちろん、子どもに限らずどの年齢の方でも元気になっていく過程を見られるのはうれしいことです。慢性の病気には医師の処方する薬だけでは治療が成り立たないものがたくさんあります。食事療法や運動療法が大切な生活習慣病もそうですし、ストレスによる不調では気分転換が重要です。食事、運動、気分転換などは、アドバイスはできてもご自分の生活に習慣として取り入れてもらわない限り効果は出ません。患者さんの方から「野菜を増やしてよく噛むようにしています」とか、「お風呂の中でストレッチをしています」とか、「仕事の後はカモミールティを飲んでリラックスしています」などなど、自分で自分を元気にすることに取り組んでくれている話を聞くとうれしくなります。
うつ病の回復期には心身両面で活動と休養のバランスをとる練習が大切です。うつ病の人の多くは「もっと頑張らねば」と自分にプレッシャーをかけてしまいやすいからです。考え方や行動の仕方の癖を変えていくには時間がかかりますが、「最近は『まぁ、いいか』と思えるようになりました」とか、「休日は仕事と関係のないことをするようにしています」など、変化を感じられる言葉を聞けるようになると、内心「そろそろお薬を減らしても大丈夫かな」と楽しみです。
不便な所にある緑蔭診療所ですが、緑に囲まれた環境と植物由来の薬(漢方やハーブ)のお蔭(このふたつが緑蔭の由来です)で元気を取り戻してもらい、医者と縁が切れる患者さんが増えるのが医者の一番の楽しみといえると思います。
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