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橋口先生のエッセイをお届けします
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橋口玲子先生は内科・小児科医、医学博士。中国医学を中心に、西洋医学・ハーブ療法・アロマセラピーなどを取り入れた医療を実践されてます。
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情報と体験
  | その他 | 2012-01-18 15:21 |

 しめ飾りなどを焼くどんど焼きでお正月行事も終わり日常が戻ってきました。暮れから正月にかけては年越しそば、お雑煮、お節料理、七草粥、鏡開きのぜんざい、どんど焼きの新粉だんごなど、節目の食べ物が続きます。これらのものをすべて用意するのは忙しい家庭ではなかなか大変ですが、行事の意味を情報として伝えるとともに、子どもたちに作ったり食べたり体験してもらう年に1回の機会です。

 かつては年末に家庭や近くのお店でついていた餅も、真空パックされたものをスーパーマーケットで購入することが多くなりました。餅つきという手間のかかる行事を経ていないと、お餅が特別な時に食べるハレの食べ物であるという実感も少し減ってしまうような気がします。餅に限らず、お節も七草粥セットも時期に合わせてスーパーに並んでいます。七草の名前や由来を書いたポップも立ててあったりして、今やスーパーは伝統行事を伝えてくれる情報提供の場となっています。子どもと一緒に買い物をしながらハレの食べ物の意味を伝えるのもいいかもしれません。

 私の住む地域では秋のお祭りのときに餅つきが行われています。若い時から長年餅つきをしてこられた年配の方々のやり方を見ていると、「なるほど」と感心することがたくさんあります。糯米を水に浸ける時間、蒸籠への米の入れ方、返しの水の加減、つきあがった餅を手際よく成形したり食べたりするための準備など、餅を作るにはつく技術以外にも知っておくべきノウハウがたくさんあることがわかります。昨年末は若い人たちに餅をついてもらう集まりに参加しましたが、このときにお祭りで得た知識がとても役立ちました。

 現代ではインターネットを通して情報を手軽に取り出せますが、実際の体験を通して得た知識とは質が異なります。体験というフィルターを通さないと、自分にとって意味のある情報かどうか確かめることは困難です。大量の情報にさらされ続けると脳が疲労するだけで、ちっとも身に付かないということになりかねません。情報とうまく付き合うには脳だけでなく、体で経験すること=体験が大切なのだと思います。不要な情報は役に立たないどころか有害ですが、体験は失敗した場合でも次へのステップという意味で役立つのではないでしょうか。



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